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大石 哲也; 吉田 真
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(12), p.1115 - 1119, 2001/12
原子力施設から放出される放射性ガスの放射能を精度良く評価するためには、適切に校正されたガスモニタを使用しなければならない。ガスモニタの多くは、閉ループ校正法により校正されている。この校正法においては放射性ガスの定常放出が仮定されているが、実際の放出では非定常放出も生じる。非定常放出に対する従来の校正法の適用性を確認するため、放射性ガスの短時間における注入に対し、3種類の典型的なガスモニタの応答を解析した。レスポンス曲線の解析等の結果、注入されたガスの分布は瞬時に均一になることが判明した。また、閉ループ校正法により決定した校正定数は、放射性ガスの短時間注入に対して適用できることがわかった。これらの結果より、従来の校正法が非定常放出にも適用できることが実験により示された。
峰原 英介; 杉本 昌義; 沢村 勝; 永井 良治; 菊澤 信宏; 西森 信行
Proc. of 11th Symp. on Accelerator Sci. and Technol., P. 236, 1997/00
原研自由電子レーザーは、現在原研独自の無蒸発型の4K冷凍機を組み込んだ超伝導リニアックを使用している。この世界最大の無蒸発型冷凍機システムは、(1)冷凍機の有害な振動、(2)冷却温度の下限(4K)、(3)冷凍能力の上限(20W)、(4)低い熱効率という4つの欠点を持っている。これらの欠点を以下の方策で解決を図ってきた。(1)は、無振動冷凍機の採用と防振の工夫による振動の低減を図っている。(2)は、He3ガスを動作流体として、超流動を発生させずに2K以下への冷却温度下限の延伸を図っている。(3)は、熱効率が極大となる単位冷凍機当たりの冷凍能力(4.2Kにて10W程度)を単位として冷凍能力の増加を図っている。(4)は、低温部での比熱の低下を補う磁性蓄冷材を用いて熱効率の改善を図った結果、大型液化器と同等の熱効率が達成された。
中村 秀夫; 片山 二郎; 久木田 豊
Power Plant Transients,1992; FED-Vol. 140, p.9 - 16, 1993/00
これまで、PWRのミッドループ運転(原子炉停止時に、炉心崩壊熱を余熱除去系を用いて除去しつつ、一次系水位を水平配管付近まで下げて各種作業を行う)時に、余熱除去系が何らかの原因で停止し、炉心冷却材が沸騰する等、いくつかの事象例が報告されている。なお、ミッドループ運転時には、一次系は大気圧で室温に近く、気相部は非凝縮性ガス(空気又は窒素)で満たされている為、事象では、非凝縮性ガスが関与した複雑な熱水力挙動が発生する。ここでは、LSTF装置を用い、1次系に開口部が無い条件で実施した模擬実験の結果をまとめた。実験では、余熱除去系停止後、炉心沸騰、蒸気発生器(SG)での蒸気凝縮が生じたが、それに伴い、1次系気相部内の非凝縮性ガス(空気)がSG伝熱管内に蓄積されることが観察された。更に、簡単なモデルを用いた1次系の圧力予測を行い、1次側圧力を低く保つために、SGの2次側冷却材が重要な働きをすることを示した。